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2015年 スポーツ外傷と障害について – なかえびえ整形外科 金 柄志 先生

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Q1. スポーツ「外傷」と「障害」の違いについて教えてください。

突発的なアクシデントで起こるものを「外傷」、慢性的な不具合があるものを「障害」と考えていただけたらと思います。主なスポーツ外傷には、捻挫、打撲、靱帯断裂、脱臼、骨折などがあり、スポーツ障害には、野球肘や腱板炎、アキレス腱炎、腸脛靱帯炎、シンスプリント、足底筋膜炎などが代表的です。

Q2. 起こりやすいスポーツ外傷とは何がありますか?

一番多いのは捻挫です。膝や足首の捻挫、バスケットやバレーなどでの指の捻挫も多いです。あと肉離れも多いです。走ったり、踏ん張ったりしたときに、ふくらはぎの内側が痛んだり、後ろから軽く蹴られた感じがすることもあります。また、陸上競技などでは、ハムストリング(大腿屈筋)の肉離れもよく見かけます。腓腹筋内側頭の肉離れより、ハムストリングの方が再発しやすい印象があります。

Q3. 応急処置の基本である「RICE」について教えてください。

Rest(安静)、Icing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の略称です。外傷後24時間は、冷やして、圧迫して、安静挙上を心掛けます。
アイシングは、アイスパックや氷水を袋にいれて患部に当てがい、15~20分冷やしては、時間をおいて繰り返します。感覚がなくなってからもそのまま続けて、凍傷を起こさないように注意が必要です。包帯などで、患部を圧迫します。安静挙上は、シーネ固定や免荷ですが、一時的に松葉づえなどを使ってもらうなどの指示もします。
RICE処置は、打撲、捻挫、肉離れなどには有効な方法ですので、知っておくと損はないですね。

Q4. 起こりやすいスポーツ障害には何がありますか?

成長期の子供であれば、野球肘やシンスプリントなどが多いですね。
特に、野球は、ソフトボール・軟式・硬式まで幅広く、競技人口が多いため障害を持つ人も多いです。野球肘の場合、来院時に肘の痛みと可動域制限が見られますが、レントゲンで異常がなければ、投球禁止を2~3週間すれば、ほぼ痛みはなくなります。すでにレントゲンで内側上顆の骨端核や上腕骨小頭の骨吸収像が見られる場合などは、ギブス固定を3週間ほどする必要があります。初期の方で、痛みがなくなったもので、野球を再開して再発することもあり、痛みをおして続けているうちに離断性骨軟骨炎になり、手術が必要になることがあるので、注意が必要です。

シンスプリントもよく見られる障害ですが、スポーツを休止して足への負担を減らせばよくなります。また、低周波の照射もある程度効果があるようです。成長期の子供さんの場合、まだ骨が未成熟ですので、障害が出やすいですが、治療にもよく反応し、予後がいいのが特徴です。

Q5. スポーツ外傷や障害を早く治すために重要なことはなんでしょうか?

なんでもそうですが、できるだけ早期に医療機関にかかることが重要です。
特に子供は、治りが早いのですが、長いこと放置すると治りづらくなり、重症化することもあります。医療機関で見てもらわないままマッサージや電気などを続け、治療のタイミングが遅くなると、ひどくなって手術する必要が出た事例もありますので、まずは、お近くの整形外科を受診し、診断を付けてもらうことが必要です。また、症状に応じて、専門病院に紹介することもありますから、医師から判断を仰いでください。

Q6. 治療中のトレーニングで気をつけることはありますか?

治療中のトレーニングは、基本的に専門医と相談して決める必要があります。個人の障害の部位、重症度により、許容できるトレーニング量が異なるからです。肘をケガしているのであれば、下半身のトレーニングを勧めたり、肘が治ってきているのであれば、可動域を広げたり、筋力強化を勧めたりもします。治療段階に応じてトレーニング法は変わるからです。

患者さんの中には、「自分の体を守るのは自分なんだ」としっかりした考えをお持ちの方もいらっしゃいますが、方向を間違えると症状が悪化してしまうことがありますので、専門医の話も聞いたうえでトレーニングされるとよろしいです。

Q7. スポーツ外傷や障害を予防するうえで大切なこととは何でしょうか?

予防するという意味では、体の手入れですね。ウォーミングアップ、ストレッチング、クールダウンが事故を少なくするのに役立ちます。スポーツの負荷の量もありますが、オーバーワークはできるだけ避けることが重要です。

また、チームワークでやるスポーツの場合、周りに迷惑がかかるため自分が抜けることを遠慮してしまう方もいますが、そこは自分の体は自分で守る意識でやっていただきたい。

また、コーチなどにためらわずに不調をうったえ、判断してもらうことが大事です。
スポーツは楽しんでやることが基本ですので、自分の体に無理がないよう心がけて、適度にされるのがよろしいです。

 


――――――本日はありがとうございました。

お話を伺った先生:なかえびえ整形外科 金 柄志(きん へいし)先生

【専門医・資格等】

  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本整形外科学会認定リウマチ医
  • 日本整形外科学会認定スポーツ医
  • 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
  • 日本医師会認定産業医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医