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2018年 「スポーツでの膝の怪我について」 – あさぐも整形外科 朝雲 浩人 先生

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スポーツでの膝の怪我について、あさぐも整形外科クリニックの院長 朝雲 浩人 先生にお話を伺いました。

スポーツをしていると、膝を痛める方が多いですが、膝の手術についてお聞かせください。

スポーツによる膝外傷で手術が必要となる場合は、半月板や靭帯が損傷されている場合です。
MRI検査で診断でき、関節鏡を用いて低侵襲で手術を行うことができます。
半月板だけなら日帰り手術で、また前十字靭帯再建術などは1週間から10日の入院で手術することができます。
バスケット、バレーボール、体操、など屋内(体育館)で行うスポーツをしている選手に膝を痛める人が多くみられますが、スキー、サッカー、野球などでもジャンプ(跳躍)した時などに膝を痛めてしまいます。
半月板損傷や前十字人体断裂など膝関節周辺の大きな怪我です。
症状としては、膝に慢性的な違和感があり、引っ掛かりや不安定な状態になります。また、膝に水がたまると、痛みを感じます。

マラソンなどで、膝が痛くなったりすることもありますが……

マラソンによる膝痛は、多くはオーバーユースによるものであり、安静やリハビリなどで症状の改善は期待できます。手術の適応となることは非常に少ないです。
マラソンなどの後に、一時的に膝が痛くなったりすることもあり、ランナーズニーと言われています。多くは一時的なものであり、トレーニングなどで解消できます。

半月板などを損傷した場合、どのような手術が有効なのですか?

半月板は膝関節の中で、膝の安定性、荷重分散、栄養などの重要な機能をもっています。
半月板を損傷した場合には、膝に水や血が溜まったり、膝の引っ掛かり感や膝屈伸時の痛みが出現してきます。
MRI検査を行い、半月板の断裂形態の評価を行います。
半月板の手術は、基本的に縫合が可能な断裂形態であれば、縫合術を最優先します。
縫合が難しい変性断裂などは、可及的に少ない範囲の半月板部分切除を行います。

まず、検査をします。その上で必要な場合膝鏡視下手術を行います。関節の状態を内視鏡(カメラ)で見ながら金具を入れます。手術は金具を入れる時と外す(抜釘:ばってい)時の合計二回します。入れてから概ね1年後に抜釘します。手術は大体2~3時間で終わります。内視鏡手術の特徴は、短時間で終わることと、感染症を起こしにくいこと、そして傷跡も小さいので術後の見た目も違和感が少ないと思います。

手術後の経過と、リハビリなどはどのように行うのですか?

半月板術後のリハビリは半月板縫合術を行った場合と半月板切除術を行った場合では異なります。
半月板縫合術を施行した場合には荷重を遅らせて、術後3~4週間ぐらいで全荷重となるようにします。また術後5か月までは膝を深屈曲しないように説明します。
半月板切除術後のリハビリは、可動域の制限などはありません。しかし、半月板切除後に半月板の衝撃吸収作用が失われて、骨壊死という病態になることが稀にあるので、半月板の切除の大きさにより荷重を遅らせています。
手術後入院は約一週間。3ヶ月ぐらい装具をつけますがその後普通の生活には支障がない程度になります。ジョギングなど、このころからスポーツ復帰へ向けてのリハビリを行います。
6ヶ月くらい経つとダッシュなどできるようになります。9~10ヶ月でスポーツもできるようになります。
金具は1年くらいで抜釘手術をします。その間リハビリは継続して行います。

――――――本日はありがとうございました。

お話を伺った先生:朝雲 浩人 先生(あさぐも整形外科クリニック・大阪府和泉市

【略歴】

  • 平成元年 愛媛大学医学部卒業
  • 同年   岸和田徳洲会病院にて研修
  • 平成 9年 鹿児島徳洲会病院
  • 平成12年 善衆会病院 群馬スポーツ医学研究所
  • 平成19年 岸和田盈進会病院
  • 平成21年 新須磨病院
  • 平成23年 和泉市にて整形外科クリニックを開業

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