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2019年 「花粉症の治療 舌下免疫療法について」 – つじもと耳鼻咽喉科 辻本 俊弥 先生

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花粉症の治療、舌下免疫療法について、つじもと耳鼻咽喉科の院長 辻本 俊弥 先生にお話を伺いました。

ホームページにも詳しく書いておられますが、舌下免疫療法についてお伺いしたいと思います。まず適応するアレルゲンは?

スギ花粉とダニです。舌下免疫療法は、この2種類のアレルゲンによる症状に効果があります。
実際の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりや目がかゆくなるなどです。
スギ花粉による花粉症は、花粉が多く飛ぶ春先から4月中ごろまで症状が続きます。
ダニについては、一年中発症します。比較的寒冷な北海道を除けば、日本は温暖な海洋性気候の影響を受けているので、ダニが繁殖しやすい温かい地域になっているからです。そのため、ダニをアレルゲンに持っていると、年中症状に悩まされる場合もあります。
最近コマーシャルで見かける強力な掃除機は家の中のダニを吸い取ることができるようですが、自宅だけではなくいたるところにダニはいますので、残念ながら掃除だけで改善することは難しいです。

具体的な治療はどのように行られるのですか?

スギ花粉、ダニ花粉それぞれ別の薬を使います。
両方ともアレルゲンとなっている患者さんもおられるので、まずどのアレルゲンに対して治療が必要か検査します。
そのような患者さんには、まずスギ花粉、ダニ花粉、まずどちらかの治療を開始します。暫く様子を見てからもう一方の薬も投与します。

治療期間はどのくらいですか?

対処療法ではなく、体質改善をしてアレルゲンに対して症状が出ないようになるまで治療を続けますのでは3年は、かかります。その間、月1回程度通院する必要があります。受験生など通院の時間が取れないので、受験が終わってから治療を開始されたりします。しかし、長期間治療にかかっても治療効果で体質が変われば、その後鼻水などに悩まされることがなくなりますので、生活が楽になります。

他にはどのような治療法がありますか?それらと舌下免疫療法との違いなどを教えてください。

鼻水、鼻づまりには、抗ヒスタミン剤(内服薬)の投与が多いと思います。
抗ヒスタミン剤を飲むと症状は抑えられますが、副作用として眠くなります。
他にも点鼻薬(ステロイド系)、レーザーによる焼灼、鼻の穴の左右のバランスが悪く片方が極端に狭かったり(鼻中隔湾曲症)している場合、鼻中隔矯正術と言う手術で通り道を広げる治療法もあります。
それぞれ治療法と治療効果に違いがありますが、鼻中隔矯正術以外の多くは症状を一次的に緩和する対処療法です。舌下免疫療法は患者さんの体質を変えるものですから、アレルゲンに対して抵抗力がついて症状が再び出なくなるというのが大きな違いだと思います。(根治療法)治療期間は最低3年かかりますが、治療が有効な患者さんも多いと思います。

 

――――――本日はありがとうございました。

お話を伺った先生:辻本 俊弥 先生(つじもと耳鼻咽喉科・神戸市東灘区

【略歴】

  • 1971年 大阪大学医学部入学
  • 1971~73年 米国Haverford college留学
  • 1979年 大阪大学医学部卒業
         VQE合格(Visa Qualifying Examination)
  • 1979年 大阪大学附属病院麻酔科研修
  • 1980年 大阪大学医学部耳鼻咽喉科学教室入局
    以後、大阪大学附属病院、大阪回生病院、大阪厚生年金病院、北大阪警察病院、市立川西病院、箕面市立病院など

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