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2009年 「苦痛の少ない鼻からの胃カメラ!」 – たなかクリニック 医師 田中 正剛 先生

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胃カメラについて、たなかクリニックの院長 田中 正剛 先生にお話を伺います。

春になぜ胃カメラなのですか?

春になぜ胃カメラなのですか?

春は実は胃潰瘍が多い季節なのです。就職や進学などによる生活環境の変化が知らず知らずのうちにストレスとなっているのかもしれません。

また、季節の変わり目は気候の変化などの目に見えないストレスもあります。最近は猛暑のせいか夏の暑い時期にも胃潰瘍は増えてきていますが、それでも春が1番多いようです。

その事に加えて、胃カメラを受ける季節としては暑い夏や寒い冬よりは気候のよい季節が適してると思います。

どのような人が胃カメラを受けた方が良いのですか?

腹部症状のある方はもちろん検査された方が良いと思います。その他の方ですと、以前に胃潰瘍やポリープを指摘されている方は胃カメラでの経過観察が望ましいと思います。

また、胃の病気(胃潰瘍、胃がんなど)はピロリ感染との関係が深いので、ピロリ感染が疑われる方も胃カメラを受けた方が良いと思います。具体的にはピロリ感染は年齢でいえば50歳以上で感染率が70%(10人中7人が感染)以上と高くなりますので、50歳以上で胃カメラを受けたことの無い方も是非とも検査された方が良いと思います。

また、慢性胃炎はピロリ感染の可能性が高いので、以前に慢性胃炎と言われたことのある方も検査された方が良いと思います。

胃カメラというと「苦しい…」というイメージがあります。
最近、苦痛の少ない鼻からの胃カメラが話題になっていますが、実際はどうですか?

胃カメラというと「苦しい...」というイメージがあります。最近、苦痛の少ない鼻からの胃カメラが話題になっていますが、実際はどうですか?

以前は胃カメラのサイズが太かったので口からしか挿入出来ませんでした。しかし、医療機器の進歩で現在では6mm以下の細さの胃カメラで鼻からの挿入も可能になりました。

鼻からの胃カメラはサイズが細いのでのどを通過する時の苦しさが少ない事もありますが、1番のメリットは胃カメラの時の「オエッ」となる感じが少ない事です。

口からの胃カメラが舌を押さえつけるように挿入されるのに対し、鼻からの胃カメラは舌を押さえつけないので「オエッ」となりにくいのです。

鼻からの胃カメラができない人もいるのですか?

鼻からの胃カメラの場合は鼻の中を通していくので、鼻の穴の細い人はカメラが通らないことがあります。

あまり無理にカメラを入れると、痛みがあったり鼻血が出てしまうので、その場合は口からの挿入に切り替えます。

細いカメラでもきちんと見えるのですか?

細いカメラでもきちんと見えるのですか?

以前の鼻からの胃カメラはやや解像度が悪いものもありましたが、最近のものは十分な観察が可能です。実際当クリニックでもすでに1cm以下の早期胃がんを発見しています。

胃カメラの検査費用はどのぐらいになりますか?

保険診療3割負担の場合ですと、検査料のみで約4,000円程度かかります。また、検査中にポリープなどが見つかり組織の検査をした場合には、プラス3,000~6,000円程かかります。

その他に初診料や血液検査、お薬が処方される可能性もありますので、15,000円程度用意しておくとよいと思います。

胃カメラの「病院選び」のポイントはありますか?

胃カメラは1年ほど研修を受ければとりあえず挿入は出来るようになりますので、実際は消化器内科の経験のない医師が検査している場合もあります。検査の上手下手に関しては最終的には技術の問題なので、必ずしも消化器内科の経験がなくても上手な医師はいると思います。

しかし、やはり診断などに関しては専門医の方が優れている部分はあります。口コミ情報に加え、一つの目安として「日本消化器内視鏡学会専門医」や「日本消化器病学会専門医」などの資格が参考になると思います。

――本日はどうもありがとうございました。(2009.5.11)


お話を伺った先生:田中 正剛先生(たなかクリニック・大阪市東淀川区


【略歴】

  • 平成4年 大阪医科大学卒業
  • 平成4年 大阪医科大学附属病院第2内科
  • 平成11年 西日本入局管理センター診療室長
  • 平成14年 新生病院内科
  • 平成17年 石切生喜病院消化器内科
  • 平成20年 行岡病院内科
  • 平成20年 たなかクリニック開院

【資格等】

  • 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本内科学会認定医
  • 医学博士

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