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2016年 「日焼けにご用心!」 – 田所クリニック 田所 丈嗣 先生

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日焼けについて、田所クリニックの院長 田所 丈嗣 先生にお話しを伺いました。

日焼けは皮膚科で治療できるって本当ですか?

本当です!日焼けは紫外線による皮膚のヤケドです。ヤケドを侮ってはいけません。

皮膚科での治療ってどんなものですか?

皮膚の炎症を抑えるために、抗炎症作用のあるステロイド外用剤などを主に使用します。ヤケドの治療に準じて、日焼けの状態によって使用する薬や処置を選択します。

ひどい日焼けに対して、家で出来る応急処置とは?

皮膚の火照りはヤケドによるものです。火照りが続いている間は炎症が進み、ヤケドが深くなってしまうことがあります。火照りをさますために、シャワーなどで身体を冷やして下さい。くれぐれも、冷やしすぎて体調を崩さないように注意しましょう。また、水ぶくれが出来た場合は、決して潰したり、めくってしまったりしないようにして下さい。

どれくらいの日焼けなら、病院に行くべき?

皮膚が真っ赤になって冷やしても火照りが引かない場合や水ぶくれが出来るような場合はすぐに病院へ行くべきです。水ぶくれが出来るほどの深いヤケドになると、治りが遅かったり、キズ痕を残してしまうこともあります。また、淡く赤くなる程度の日焼けでも、シミを作ってしまうと治療に難渋することが少なくありませんので、基本的には日焼けを避けるように気を付けましょう。

日焼け後に日焼けを繰り返した肌は強くなるって聞いたことがあるんですけど、本当ですか?

全くのデタラメです。紫外線による皮膚へのダメージは蓄積されていくため、日焼けを繰り返すと、シミやシワ、皮膚の弛み、皮膚の硬化などの光老化現象が進むだけではなく、皮膚がんが発生するリスクも高まります。日焼けをすると皮膚は黒くなりますが、これはメラニンを増産して紫外線から皮膚を防御しようとするためです。確かに、繰り返し日焼けをすると皮膚はだんだん黒くなってきますが、肌が強くなったり、老化現象や発がんのリスクが下がるわけでは決してありません。特に、日焼けをしても黒くならずに赤くなる人は要注意です。紫外線には皮膚でビタミンDを活性化して骨を丈夫に保つという重要な働きがありますが、健康な日本人では日常生活で日に当たる程度で大丈夫なので、白人のように日光浴をする必要はありません。日焼け防止のためには日傘や帽子だけでは不十分ですので、積極的に日焼け止めを使うことを強くお勧めします。



 

――――――本日はありがとうございました。

お話を伺った先生:田所 丈嗣 (たどころ たけつぐ)先生(田所クリニック・兵庫県西宮市

【略歴】

  • 昭和62年 3月 大阪大学医学部卒業
  • 昭和62年 5月 大阪大学医学部附属病院にて臨床補助の研修に従事
  • 昭和62年 7月 大阪警察病院 形成外科医員(研修医)
  • 昭和63年 7月 大阪大学医学部附属病院医員(研修医)
  • 昭和63年11月 公文病院 外科医員
  • 平成元年11月 兵庫県立こども病院 形成外科医員(研修医)
  • 平成 2年 5月 大阪大学医学部研究生(皮膚科学教室)
  • 平成 2年10月 大阪大学医学部附属病院医員
  • 平成 3年 7月 大阪船員保険病院医師(形成外科)
  • 平成 6年 4月 大阪大学医学部研究生(皮膚科学教室)
  • 平成 6年 7月 大分医科大学助手附属病院(皮膚科学教室)
  • 平成 8年 5月 大分医科大学助手医学部(皮膚科学教室)に配置換
  • 平成 8年 7月 大阪大学助手医学部(皮膚科学教室)に転任
  • 平成11年 4月 大阪大学助手大学院医学系研究科に配置換
  • 平成11年 4月 米国国立衛生研究所(NIH)(Postdoctoral Visiting Fellow)
  • 平成14年 4月 大阪大学助手大学院医学系研究科復職
  • 平成15年 4月 大阪大学講師大学院医学系研究科
  • 平成16年 4月 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター皮膚科科長
  • 平成22年 4月 大阪大学医学部臨床教授併任
  • 平成24年 4月 日本皮膚科学会認定専門医主研修施設責任指導医
  • 平成26年 8月 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター円満退職

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