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2012年 「夏の暑さと心臓病」 – うめだクリニック 梅田 達也 先生

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夏の暑さと心臓病について、うめだクリニックの院長 梅田 達也 先生にお話を伺います。

先生は不整脈や心臓病を専門とされていらっしゃいますが、
   夏の暑さは心臓にどんな影響(病気・症状)を与えるのでしょうか。

梅田 達也先生

はい、夏の暑さは、体温上昇や、脱水傾向といった負担を体にかけます。過度の体温上昇により全身の各臓器には負担がかかり、その結果、血液循環の要である心臓にも負担がかかります。

また心拍数が上昇することによって、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患などは悪化しやすくなり、不整脈なども誘発されやすくなります。脱水では、血管内の水分が失われ、血栓が出来やすくなり、血管がつまる病気、心臓で言えば心筋梗塞などの重大な病気の誘因となります。

夏に気をつけないといけない不整脈があると聞いたのですが。どんなものでしょうか。

「夏の不整脈」というものが特にあるわけではありませんが、普段から不整脈がある方の症状が悪くなることはしばしば見られます。「心房細動」と呼ばれる不整脈は脳梗塞などの突発的な病気の原因となり、夏の脱水時には、生命への影響や重大な後遺症を残すことさえあります。

また炎天下でのスポーツは心臓に想像以上の過酷な状態をもたらしますので、普段から不整脈や心電図異常を指摘されている方は特に注意が必要です。

汗をかいたら塩分を摂るとよいと聞いたのですが、
   高血圧との関係ではいかがでしょうか。

一般的に高血圧に対する考え方としては、塩分摂取は控えめがよいのですが、夏季には多く発汗し、体内から塩分が汗の成分として失われます。結果、ナトリウムなど体の機能を維持・調節する電解質という物質が不足し、体調が悪化することがあります。

塩分の摂りすぎはよくありませんが、夏場に関しては少し大目(多めではありません!)にみてよいかもしれません。ただし心不全などの病気がある場合には、やはり塩分制限が必須です。これらの加減については個々の場合により様々であり、食事や、塩分・水分の管理については医師への相談が望ましいでしょう。

(夏における)心臓病の予防法を教えてください。

まずは、体調を崩さないようにすること。具体的には、高温状態の中に長くいないこと、 適度な水分補給をすること、適度な塩分摂取を心がけることなどです。夏場には無理をして体を鍛えることは禁物です。こまめな水分摂取と十分な睡眠・休養と適切な食事(食べ過ぎない)が重要です。

当たり前のようなことですが、心臓病をお持ちの場合には重篤な症状が急に出現する恐れがある、ということを心の隅に留めておいて欲しいと思います。


――――――本日はありがとうございました。


お話を伺った先生:梅田 達也先生


【略歴】

  • 平成7年  大阪医科大学卒業
           大阪医科大学第三内科 研修医
  • 平成9年  大阪府済生会泉尾病院循環器科 医員
  • 平成12年 大阪医科大学第三内科 専攻医
  • 平成16年 大阪府済生会泉尾病院循環器科 副医長
  • 平成19年 大阪医科大学内科第三内科 助教
  • 平成24年 うめだクリニック 院長

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