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2021年 「コロナ禍での歯科治療について」 – 桜木町ヒロ歯科クリニック 歯科医師 薄井 孝弥 先生

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コロナ禍での歯科治療について、桜木町ヒロ歯科クリニックの院長 薄井 孝弥 先生にお話しを伺いました。

新型コロナウイルスにより受診を控えられる患者さんがいると伺いましたが、ヒロ歯科さんではいかがでしょうか?

感染第二波の頃が一番多かったですね。次回の予約を取っていただくのに、コロナの状況が見えず「落ち着いたら予約します。」という方が多くいらっしゃいました。最近は受診を控える方はあまりおられません。もちろん来られない方もいらっしゃいますが、マスクで口呼吸になりやすい今だからこそ、定期的なメンテナンスを受けて頂く方が良いと思います。マスクをすると息がしにくくなるため、口呼吸になる方が増加します。口呼吸になるとまず口の中が乾燥して唾液が少なくなり唾液による殺菌効果が弱くなります。また、酸素が多いと虫歯菌が活性化して虫歯になりやすくなります。

口呼吸により喉が渇くので、飴をなめてしまう方も多く、これも虫歯の原因を増やしてしまいます。マスクが常態化して、マスクを外せる場所でも口呼吸が習慣になってしまっている方もいらっしゃいます。

こう言ったコロナ予防対策の長期化により、虫歯の原因も増えているので出来ればメンテナンスやチェックなどにも関心を持ってもらいたいと思います。

ヒロ歯科さんで行っている新型コロナウイルスの感染症対策について教えてください。

当クリニックでは、受付の天井にメディカルライトエアー(医療機関向けの強力な空気清浄機)を設置しています。細菌やウイルスなどの感染から患者さんを守るために、より安心・安全な環境を提供しています。また院内に設置している空気清浄機は顧客満足度の高い機器を選び、導入しました。他にも処置室を丸ごと5~10分閉め切って除菌する機器も設置しています。

患者さんには治療前と治療後に過酸化水素水によるうがいを1分間お願いしています。過酸化水素水は10~15分の間、唾液中の細菌を抑制する効果があるとアメリカ歯科医師会(ADA)も推奨しています。
スタッフはマスクに加え帽子も常に着用しています。患者さん、スタッフへの感染リスクを極力減らして、安心して治療を受けてもらえるように配慮しています。

他にコロナによる影響などありますか?

特にマスクをしているこの時期に歯科矯正を検討される方が増えています。
その中でも特にマウスピースによる部分矯正が徐々に増えています。
元々マウスピース矯正は従来のワイヤー矯正ほど見た目の違和感は少ないですが、全体矯正だと1~2年かかります。費用もそれなりにかかります
前歯(小臼歯までの目立つ部分)だけを部分的に矯正する部分矯正の場合だと3ヶ月から半年ぐらいの短い期間で終わります。治療期間も短く、費用も全体矯正と比較すると半分くらいで済みます。

他に歯科予防で役に立ちそうなお話をお願いします。例えば、最近増えている高級歯ブラシなどは効率的に歯が磨けるのでしょうか?

高級歯ブラシと一般の歯ブラシとどちらが磨きやすいとは一概には言えません。
重要なのは、まず歯磨きの目的に沿った歯ブラシを選ぶことです。虫歯予防のための磨き方と歯周病予防の磨き方の違いから説明します。 虫歯を予防するための歯磨きは一定の角度でブラッシングします。
虫歯は、歯と歯の間に食べ物が詰まって虫歯になるので予防のためには、一日一回歯間ブラシや糸(デンタルフロス)を使って隙間に残っている食べ物を取り除く必要があります。歯周病予防の場合は歯と歯茎の間に歯ブラシを当て小さく動かす、またはローリング法という歯の根元から歯冠に向かって90度回転させて磨く方法があります。

(歯ブラシのタイプ)
虫歯予防:毛先が山型でヘッドが小さいタイプ
歯周病ケア:毛先がフラットで毛量が多く毛の硬さは少しやわらかめ
ローリング法:毛先がフラットで毛量の多いもの

日本だけではなく、アメリカやヨーロッパでも目的に合わせた歯ブラシをメーカーが作っています。メーカーによって異なるのですが、ヘッドが小さく毛先が細すぎるタイプだと歯と歯茎の間に差し込むように入れると、力を入れていなくても毛先が入りすぎて痛みを感じたり、歯茎を傷つけてしまうことがありますのでご注意ください。歯磨きの目的を虫歯予防とするのか、歯周病対策にするかを考え、用途にあった歯ブラシを選びましょう。お子さんの場合は毛先が平らな毛量の多い歯ブラシで虫歯予防の方法を教えてあげてください。当クリニックではソニックケア(音波ブラシ)を勧めています。ブラシを当てる角度に気をつけて使用していただくように説明しています。

歯磨きできちんと磨けている部分は簡単に虫歯にはなりません。虫歯や歯周病になりやすい箇所は歯と歯の間ですので、虫歯になりやすい方はフロス(糸)や歯間ブラシを1日1回で良いので必ず行いましょう。

歯の磨き方は個人差があります。当クリニックではメンテナンスやクリーニングに来院された患者さんにプラークチェッカーを使って、どこが磨けていないのかを確認していただいています。

※プラークチェッカーとは:歯垢染色液で歯垢を染め、磨き残しや磨き癖を知ることが出来ます。

また初診の方には保険内で検査を行い、カウンセリングを行って希望される方には歯ブラシ指導や一部自費診療等を2~3ヶ月行います。治療前後の口内細菌の数やプラークチェックの変化を患者さんにも実感していただいていますので、ご希望の方はご相談ください。統計的には虫歯が減っていると報告されていますが、それは小学校低学年までの話です。中学・高校・社会人と生活環境が変わる段階で虫歯になりやすい様ですので、きちんと歯磨きをする習慣を維持して虫歯にならないようにしましょう。



――――――本日は、ありがとうございました。


お話を伺った先生:薄井 孝弥 先生(桜木町ヒロ歯科クリニック・さいたま市大宮区


【略歴】

  • 2006年 明海大学歯学部 卒業
  • 2007年 明海大学歯学部臨床研修 修了
  • 2007年~ 埼玉県内の歯科医院と都内の歯科医院 勤務
  • 2009年 埼玉県内に三院展開している医療法人 勤務
  • 2013年~ インプラントを学ぶため埼玉県内の2か所の歯科医院にて非常勤として勤務
  • 2014年 埼玉県内に三院展開している医療法人 分院長に就任
  • 2016年 桜木町ヒロ歯科クリニック 開設

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