厚生労働省、国立感染症研究所の発表では、9箇所(1都1道6県)の保健所地域で、注意報レベルを超えて受診者数が増えています。ウイルスの型は、AH1pdm09(94%)、AH3亜型(3%)、B型(3%)の順で、昨シーズンと同様にA型ウイルスが中心となっています。(2019年11月20日現在)
インフルエンザの流行は、日本では例年11月下旬~12月上旬に始まり、翌年1月~3月に増加して4月~5月に減少しています。
38℃以上の発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛・倦怠感等の症状が急速に現れるのが特徴で、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。重症化した場合、まれに急性脳症(お子様)や肺炎(御高齢の方や免疫力の低下している方)を伴うことがあります。
普通の風邪は、様々なウイルスによって起こり、のどの痛み・鼻汁・くしゃみや咳等の症状が中心で全身症状はあまり見られません。
インフルエンザの場合 | かぜ(普通感冒)の場合 | |
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初発症状 | 発熱、悪寒、頭痛 | 鼻咽頭の乾燥感 および くしゃみ |
主な症状 | 発熱、筋痛、関節痛 | 鼻汁、鼻閉 |
悪寒 | 高度 | 軽度、きわめて短期 |
熱、および熱型(期間) | 38~40℃(3~4日間) | ないか、もしくは微熱 |
全身痛、筋肉痛、関節痛 | 高度 | ほとんどない |
倦怠感 | 高度 | ほとんどない |
鼻汁、鼻閉 | 後期より著しい | 初期より著しい |
咽頭 | 充血 および ときに扁桃腫脹 | や充血 |
結膜 | 充血 | アデノではある 咽頭結膜熱では特にひどい |
合併症 | 気管支炎、インフルエンザ肺炎 細菌性脳炎、脳症 |
まれ |
病原 | インフルエンザウイルスA、B | ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、パラインフル エンザウイルス、インフルエンザウイルスC |
退速診断法 | あり | 1部のウイルスで『あり』 |
季節性インフルエンザは、ウイルス粒子内の抗原性の違いからA型・B型・C型に分けられています。
A型は原因となる抗原性が小さく変化しながら毎年世界中のヒトの間で流行しています。38℃以上の高熱、悪寒、関節・筋肉痛などが特徴です。多くの変異株が存在し、増殖力が速く、しかも感染力が強いので流行しやすいのが特徴です。
B型は突然変異を起こしにくく、A型の様に世界的な大流行を起こすことはありませんが、症状は重く、数年おきに流行して猛威をふるいます。
C型は感染しても軽症で済むことが多く、免疫を持っている人が多いのが特徴です。
一方、時としてこの抗原性が大きく異なるインフルエンザウイルスが現れます。これを新型インフルエンザといいます。
多くの人が免疫を獲得していないことから、急速にまん延することによって起こる新型インフルエンザは、いつどこで発生するのかは、誰にも予測することはできません。
世界に流行が拡がり、多くの人が新型インフルエンザに対して免疫を持つようになると、新型インフルエンザは、季節性インフルエンザとして取り扱われます。新型インフルエンザA(H1N1)pdm2009についても、2011年4月からは、季節性インフルエンザとして取り扱われています。
インフルエンザは咳、くしゃみ、せき、つばなどのしぶきと共に放出されたウイルスを、鼻腔から吸入することによって感染します。インフルエンザを拡散させないためにも、患者・周囲の人が共にマスクを着用することが効果的です。
また、飛び散ったインフルエンザウイルスが付着したものを手で触ると、鼻や口、目、肌などを介してインフルエンザに感染することがあります。手洗いが感染を防ぐうえで有効なのはそのためです。
また、空気が乾燥すると、喉の粘膜の防御機能が低くなるため、インフルエンザにかかりやすくなります。 乾燥しやすい冬場の室内では、加湿器などを使って50~60%の湿度に保つことも効果的です。
厚生労働省、自治体、医師会、国立感染症研究所などの発信する最新の情報(発生状況、予防、治療など)を収集しましょう。
【参考】
国立感染症研究所 感染症情報センター
https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc.html
全国インフルエンザ流行レベルマップ (国立感染症研究所)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-map.html
厚生労働省 インフルエンザQ&A
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
インフルエンザにかかってしまったら、早めに医療機関を受診し、抗インフルエンザウイルス薬の服用を開始しましょう。
抗インフルエンザウイルス薬には、下記の6種類があります。
ただし、その効果はインフルエンザの症状が出始めてからの時間や病状により異なりますので、使用する・しないは医師の判断になります。また、アマンタジンは、ほとんどのインフルエンザウイルスが耐性を獲得しており、使用の機会は少なくなっています。
抗インフルエンザウイルス薬の服用を適切な時期(発症から48時間以内)に開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、鼻やのどからのウイルス排出量も減少します。なお、症状が出てから2日(48時間)以降に服用を開始した場合、十分な効果は期待できません。
【参考】
厚生労働省ホームページ インフルエンザQ&A
インフルエンザの潜伏期間は1~2日で、発症する1日前から発症後5~7日頃まで周囲の人にうつしてしまう可能性があります。
咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、不織布製マスクを着用する等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。
現在、学校保健安全法(昭和33年法律第56号)では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています。
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